自動車整備ソフトは無料で足りる?請求書・見積書テンプレートと無料ソフト比較

「自動車整備ソフトは無料のもので足りるのか?」——整備工場・車屋さんから最も多く届く質問です。このページでは、無料で使える自動車整備ソフト(フリーソフト)とエクセルの整備請求書・見積書テンプレートにどんな種類があり、どこまでできて、どこで行き詰まるのかを整理しました。そのうえで、有料の自動車整備システムへ切り替えるべき判断ラインまでご案内します。

1.無料の自動車整備ソフトには3つのタイプがある

ひとくちに「無料の整備ソフト」と言っても、中身はまったく違う3タイプに分かれます。自社がどれを探しているのかをはっきりさせると、失敗がぐっと減ります。

無料の自動車整備ソフト3つのタイプ。タイプ①エクセル/Accessテンプレート型は費用0円で見積書・請求書を1枚作れるが顧客・車両は蓄積できない。タイプ②機能限定の無料版(フリーミアム型)はクラウド型が中心で顧客管理から請求まで触れるが無料枠の上限で有料へ移行。タイプ③試用版は30日など期間限定で全機能と搭載データを確認できる
無料の自動車整備ソフトは「エクセル/Accessテンプレート型」「機能限定の無料版」「試用版」の3タイプに分かれる

タイプ① エクセル/Accessのテンプレート型

ベクターなどのフリーソフト配布サイトや、テンプレート配布サイトからダウンロードする形式です。自動車整備 請求書 エクセル 無料自動車整備 見積書 テンプレート 無料といった探し方をされている方が求めているのは、たいていこのタイプです。買い切り費用も月額もかからず、Excelさえあればすぐ使えます。反面、顧客・車両を蓄積して車検案内に使うといった「管理」の用途にはほぼ使えません。1枚の帳票を作って印刷するための道具、と割り切るのが正解です。

タイプ② 機能限定の無料版(フリーミアム型)

有料の自動車整備ソフトが、登録件数・出力枚数・利用端末数などを制限した無料プランを用意しているケースです。クラウド型が多く、顧客管理・車両管理・見積・請求まで一通り触れます。「まず操作感を試したい」用途には最適ですが、無料枠の上限に達した時点で有料へ移行する前提の設計になっている点は理解しておく必要があります。

タイプ③ 試用版(体験版)

期間を区切って全機能を開放するタイプです。30日などの期限があるため恒久的な「無料」ではありませんが、日整連作業点数データ諸元データといった有料ソフトの本体価値を実際に確かめられるのは、このタイプだけです。乗り換え検討中の方は必ず通っておきたい選択肢です。

2.無料の整備ソフト・帳票テンプレートでどこまでできるか

やりたいことエクセル
テンプレート
無料版
(フリーミアム)
有料の
整備システム
整備の見積書・請求書を作って印刷する
インボイス(適格請求書)の要件を満たす△(自分で項目を足す)
顧客・車両を蓄積して呼び出す×
車検満期のお客様を抽出して案内を出す×
日整連作業点数・純正部品・諸元データを引く××
法令改正・税制改正への自動追随×
車両販売(車販)の注文書・登録費用計算
複数台のパソコンで同じデータを見る×
データのバックアップと復旧×(自己責任)
電話・訪問サポート××

表のとおり、「帳票を1枚作る」までは無料で十分に足ります。無料と有料の差が決定的に出るのは、データを貯めて次の売上に変える領域——つまり車検案内、メンテナンスパック、車両販売の履歴管理です。ここを使わない事業形態なら、無料のままで問題ありません。

3.自動車整備の請求書テンプレートの書き方(インボイス対応)

整備の請求書・見積書は3ブロックに分ける図。①技術料(工賃)は点検・分解整備・脱着・調整で作業点数×レバレート、消費税10%の課税。②部品・油脂類は品名・品番・数量・単価で純正・優良・リビルトの別、消費税10%の課税。③法定費用・諸費用は自賠責保険料・自動車重量税・検査手数料(印紙)・リサイクル預託金で課税対象外。インボイスには登録番号(T+13桁)、税率ごとに区分した対価の額、税率ごとに区分した消費税額が必要
整備の請求書・見積書は「技術料(工賃)」「部品・油脂類」「法定費用・諸費用」の3ブロックに分ける

自動車整備請求書は、一般的な請求書と違って「工賃」「部品代」「法定費用」が混在します。とくに自賠責保険料・重量税・印紙代などの法定費用は消費税の課税対象外であり、課税分と分けて記載しないと消費税額が合わなくなります。無料テンプレートを使う場合、ここが自力対応になる点に注意してください。

整備請求書に必ず入れる項目

  1. 請求先(お客様の氏名・会社名)
  2. 発行者(自社名・住所・電話番号)
  3. 発行日・請求書番号
  4. 入庫車両の情報(車名・登録番号・車台番号・走行距離)
  5. 作業内容の明細(整備項目ごとの工賃)
  6. 部品・油脂類の明細(品名・数量・単価)
  7. 法定費用(自賠責・重量税・印紙代など/非課税・不課税として区分)
  8. 税率ごとに区分した合計額と消費税額
  9. 支払期日・振込先

適格請求書(インボイス)で追加になる項目

  • 適格請求書発行事業者の登録番号(T+13桁)
  • 適用税率ごとに区分した対価の額(10%/8%)
  • 税率ごとに区分した消費税額

無料テンプレートを使うときの落とし穴
配布されているエクセルの整備請求書テンプレートは、インボイス制度が始まる前に作られたものが今も多く出回っています。ダウンロードしたら、登録番号欄があるか税率ごとの区分集計になっているかを必ず確認してください。この2点が無いテンプレートは、そのままでは適格請求書として使えません。

整備の見積書テンプレートで分けておきたい3ブロック

見積書は「工賃」「部品」「法定費用・諸費用」の3ブロックに分けて小計を出す形が、お客様への説明がいちばん通ります。後から追加整備が発生したときも、どこが増えたのかを指し示せます。自動車整備 請求書ソフトを検討している方は、この3ブロック構造と、見積書から請求書へそのまま転記できるかどうかを比較の軸にしてください。

市販されている整備システム40社の機能・料金をまとめた比較表を、無料でお渡ししています。
無料ソフトで足りるかどうかの判断材料としてもお使いいただけます。

整備システム比較表を無料ダウンロード 専門家に無料で相談する

4.無料の自動車整備ソフトを使うメリット

  • 初期費用も月額もかからない。開業直後で入庫台数が読めない時期には、これが何より大きい。
  • 契約の縛りがない。有料システムは5年リースが主流で、途中解約が難しいケースがある。無料なら合わなければ捨てられる。
  • すぐ使い始められる。導入教育も設定作業も不要で、ダウンロードした日から帳票が出せる。
  • 自分の運用に合わせて作り替えられる。エクセル型なら項目や計算式を自社仕様に直せる。

5.無料の整備ソフトで行き詰まる5つの場面

① 法令改正・税制改正に追随できない

自動車業界は制度変更が非常に多い分野です。インボイス制度、電子車検証、OSS(ワンストップサービス)、自動車税制の見直しと、数年単位で帳票や手続きの前提が変わります。無料テンプレートは配布者が更新をやめた時点で止まり、気づかないまま古い様式を使い続けることになります。

② 日整連作業点数・純正部品・諸元データが入っていない

有料の整備システムの価値の大半は、実はソフトの画面ではなく搭載データにあります。日整連作業点数データがあれば工賃の根拠を示せますし、純正部品データがあれば品番と価格を毎回調べずに済みます。無料ソフトにはこれらが入っていないため、調べる時間が人件費として毎日かかり続けます。

③ 車検満期のお客様に案内が出せない

整備工場の売上を支えているのはリピートです。車検満期の近い顧客を抽出して、はがき・メール・SMSで案内を出す——この一連の流れが無料ソフトではまず組めません。案内を出さない年が続くと、そのぶん確実に他店に流れます。

④ データが1台のパソコンの中にしかない

エクセル型・インストール型の無料ソフトは、データが手元のPCに置かれます。そのPCが壊れた日に、顧客も車両も入庫履歴も同時に消えます。整備ソフトの乗り換えで最も多いトラブルがこれです。外付けディスクやクラウドストレージへの定期バックアップは、無料で運用するなら必須の自衛策です。

⑤ 困ったときに聞く先がない

無料ソフトにサポート窓口はありません。決算期に帳票が出ない、消費税の計算が合わない、といった場面で自力解決を迫られます。1回の停止で失う時間を時給換算すると、月額数千円のサポート費のほうが安かった、という結論になりがちです。

6.無料から有料の整備システムへ切り替える判断ライン

「いつ有料にすべきか」は感覚ではなく、次の4つのどれかに当てはまったときが目安です。

無料の整備ソフトのままでよい工場と有料に移るべき工場の比較図。無料のままで問題ないのは入庫が月20台以下、帳票を出せれば十分、一人親方で顧客は把握済み、車検の満期案内を出す予定がない場合。有料に移るべきサインは入庫が月30台を超えた、車検の再入庫率が落ちてきた、スタッフ2名以上が同じ帳票を触る、車両販売も手がけ始めた、データのバックアップを取っていない場合
無料のままでよい工場と、有料の自動車整備システムに移るべき工場の分かれ目
サイン起きていること有料化で解消する内容
入庫台数が月30台を超えた帳票の手入力と過去伝票の探索に時間が取られている顧客・車両の呼び出しで入力が数分の1になる
車検の再入庫率が落ちてきた満期顧客を把握・抽出できていない車検案内機能でリピートを取り戻せる
スタッフが2人以上で伝票を触るファイルの版が分かれて最新がわからない1つのデータベースを全員が共有できる
車両販売も手がけ始めた注文書・登録費用の計算が整備と別管理になっている整備と車両販売システムを1つで管理できる

費用対効果のざっくり計算
有料の整備システムは月額1万円前後から。事務作業が1日30分短縮できれば、月およそ10時間です。時給2,000円換算で月2万円の人件費に相当し、この時点で費用は回収できています。判断に迷ったら「削減できる時間 × 時給」と「月額」を並べてみてください。なおIT導入補助金の対象になっているシステムを選べば、実質負担をさらに抑えられる場合があります。

7.有料の整備ソフトを比較するときの8つの確認項目

実際に有料へ進む段階では、機能の多さより先に「契約したあとで困らないか」を確認してください。とくに1つめのデータ出力は、次の乗り換えができるかどうかを決める最重要項目です。

  1. 他社切替時のデータCSV出力の可否(顧客・車両・伝票)
  2. 契約期間中のアップデート更新が費用に含まれるか
  3. インボイス制度への対応状況
  4. IT導入補助金の対象システムかどうか
  5. OSS(電子保適・ワンストップサービス)への対応
  6. 電子車検証への対応
  7. 購入前・購入後の訪問サポートの有無
  8. 公式サイトの製品情報が更新され続けているか

各社の対応状況を1枚にまとめた比較表は、姉妹サイト整備システム比較.com(整備ソフト・整備システム比較 40社)でも公開しています。整備システム 比較整備ソフト おすすめの観点で製品を横並びで見たい方はそちらをご覧ください。

自動車整備システム・自動車整備ソフト選びのよくある質問

Q. 自動車整備ソフトで無料のものはありますか?
A. あります。大きく分けて、エクセル・Accessのテンプレート型、有料ソフトの機能限定無料版、期間限定の試用版の3種類です。ただし日整連作業点数データや純正部品データを搭載した本格的な自動車整備システムで、完全無料のものは事実上存在しません。帳票作成までは無料、データ活用からは有料、と考えてください。
Q. 整備ソフトとは何ですか?
A. 整備工場の日常業務——顧客・車両の管理、点検整備の見積、作業指示、請求・入金、車検案内までを1つで扱う業務ソフトです。自動車整備ソフト整備システムと呼ばれ、車両販売も扱えるものは車両販売システム車販ソフトを兼ねています。
Q. 整備ソフトで安いものを選ぶときの注意点は?
A. 月額だけで比べないでください。整備ソフト 安いで選ぶ場合でも、①アップデート費が別途かかるか、②サポートが有償か、③解約時にデータを出せるか、の3点を必ず確認します。この3つが別料金だと、総額では高いシステムになることがあります。
Q. リースなしで整備システムを導入できますか?
A. できます。整備システム リースなしの月払い契約に対応したクラウド型が増えています。リース(パック契約)は月額が抑えられる一方、途中解約が難しく、5年程度の縛りが発生します。導入して間もない工場や、将来の乗り換え余地を残したい場合は月払いが安全です。
Q. 今使っている無料ソフトのデータは、有料システムに引き継げますか?
A. エクセルやCSVで顧客・車両の一覧を書き出せるなら、多くのシステムで取り込めます。移行を前提にするなら、無料で運用している今のうちから「顧客名・住所・電話・登録番号・車台番号・車検満期日」を1つの表にそろえておくと、移行がスムーズです。
Q. 自動車整備ソフトのランキングはありますか?
A. 工場の規模と業種(整備中心か、車販や鈑金も扱うか)で最適解が変わるため、一律の順位付けはおすすめしていません。当サイトでは順位ではなく、上記8項目の対応状況を各社横並びで確認できる比較表をご用意しています。
Q. 車両販売もやっています。整備ソフトと車販ソフトは分けるべきですか?
A. 分けないほうが有利です。車を買ったお客様は、その店に車検・整備を出す傾向が強いためです。車両販売システムと整備を1つで管理できれば、販売履歴から車検案内までが一本につながります。

どの整備システムが自社に合うか、専門家に無料で相談できます。
「無料ソフトのままでいいのか」という段階のご相談でも構いません。

無料で相談する 比較表を無料ダウンロード

もっと詳しく|整備ソフト・帳票の解説記事